環境あれこれ(1)-環境って何だ?-
今から5年ほどまえに、お世話になっている先輩から環境系で実績のある某会に入ったらどうかと勧められて入会希望を出した。
ある日その会の会合に参加した。その時に冷ややかな目で、「エコ住宅なんてそんなに簡単にできるものじゃない。」などと新参者に対するもの凄い拒否反応があった。
私が「リフォームや建て替えをするなら当然解体が伴うが、廃材はどのように処分するのか?民間現場でもマニュフェストの取得をしているのか?」と質問をした。
その工務店の社長は産業廃棄物のマニュフェストさえも知らなかった。
この社長の工務店で建てた家は、お金を払ってくれるクライアントにとっては良い住環境なのだろうが、近隣にとって、或いは地域社会にとって本当に良い住宅になっているのか? という疑問が沸いた。
ライフサイクルアセスメント(LCA)
環境プランナーという企業に対する環境経営の認定資格の研修に参加したときに、
“ライフサイクルアセスメント”という手法を知った。
簡単にいうと「ある製品が生まれてから廃棄されるまでをエネルギーに換算して製品やサービスのライフサイクルに渡る環境への影響を特定する。」ことである。
例えば「木のテーブル、鉄のテーブル、プラスチックのテーブルの各々三種類の環境負荷を算出し、どの製品が環境負に与える影響が少ないかを評価し、一番環境に悪影響を与えてない製品を採用する。」というようなことである。
果たして三つの中でどれが一番よいのか?
一概に比較は出来ないが、自然素材が本当によいのか?
ここまで言うということは・・・・
テーブルに限らず、建築に関連する製品はとても多いが自然素材は当然産出量が少ないためと、工事の手間がかかるものが多いため、それがコスト増になる。
しかし化学物質過敏症が無い人にとって、或いは建築コストとしてそこまでは出来ない人にとっては無用の物になってしまうことも事実である。
自然素材や無垢の木の家に住む必然性や、ライフスタイルの方向性、また建築費とのバランスを考慮した上で、最後はクライアントの決断に任せるしかない。
もう一つLCAに関することであるが、地域で牛乳パックをすいて葉書を作る教室が開催されることがある。これが地球環境に役立つわけではない、
何故なら牛乳パックを葉書にするまでのエネルギーを考慮していないからである。
子供の環境教育ということで様々なイベントが開催されているが、大人の方が環境問題に対する知識や見識を深めておかないと、誤った環境教育を施すことになりかねない。
環境問題に対しては、感情論ではなく冷静で科学的でなければならない。
持続可能な開発(発展)とは?
京都議定書の発効などでよく目に、耳にする言葉だと思うが、持続可能な開発とは、簡単に言うと、人間は欲深い生き物であり、個人消費や生活レベルの向上、農業活動で食物生産の効率を上げること。企業は生産活動で少しでも多くの製品を売りたい。しかしそのために自然はどんどん無くなり、生物多様性も無くなってくる。
人間がこれからも自分たちの欲望を満たすためには、地球をどんどん開発しなければならないが、自然を今以上に破壊すると人間が地球に住めなくなってしまう。従って開発をしながら自然との妥協点を人間が決めることが、“持続可能な開発(発展)”なのである。
うーん?わかったような、わからないような・・・・環境って一体何なのだろう?