最近、私の加入している環境プランニング学会では、会員達が植物工場をテーマにした議論を賑わしている。
植物工場の概要は下記に参考を記しておく。

青森県で無農薬リンゴ栽培を実現した木村秋則さんの「リンゴが教えてくれたこと」を読んだ。
本書には、木村さんの農業へのこだわりと自然への感謝の気持ちが綴られている。
また効率ばかりを追求した農薬散布が常識になっている日本の農業のありかたに疑問を呈している。

日曜特番だったと思うが、ある農家の20代の後継者が「補助金を貰っている農業は、何かがおかしいととおもう。自分の力で食っていける農業をやりたい。」とインタビューで語っていた。
減反政策で農家を無気力にさせ、農業後継者はどんどん減っている。

農地法では、農地に趣味で農作物を作ることを禁じているが、放棄水田や畑を農業以外の人に開放することも必要な次期に来ているのではないか。
安いものを輸入すればよいという政策をとり続けた結果、食糧自給率が40%に減少した日本には、自然農法の対極にある植物工場が必要ではないかと思えるようになってきた。

環境プランニング学会では、土に感謝をすることで自然からの恵みを受けた野菜を食べるべきだということを主張する人がいる。
一方今の農業は、工業化された農業なので土で作ろうが、植物工場で作ろうが同じであるという人もいる。
いずれにしても我国の国民が食って行かなくてはならないし、国は国民を食わせていく義務がある。

本来の農業のありかたで美味しい野菜を食べたいと思う気持ちは大きいが、現実を見れば植物工場のあり方は否定出来ない。
海外のエネルギー政策を見れば、太陽光発電と風力発電でヨーロッパ、特にドイツが普及拡大政策をとっている。
これはウクライナ-ロシア紛争でもしパイプラインが止まったら、天然ガスの供給がなくなるからだ。
自国のエネルギーはなるべく自前で造っていこうという政策である。

日本こそエネルギーも食糧問題もうかうかしていられない。
国際的には、今後中国が農産物輸出国から輸入国になっていく可能性が大である。
既に中国は、アメリカから大量に農作物を輸入している。
国際社会の中で日本は恒久的に食糧を輸入することが可能なのかをよく考えないとならない。

出典Wikipedia
植物工場とは、閉鎖的または半閉鎖的な空間内において、主として植物 を計画的に生産するシステムである。安全な食料 の供給 、食材 の周年供給 を目的とした、環境保全型 の生産システムである。この管理の元に栽培する方法を工場栽培と呼ぶ。

植物工場には、閉鎖環境で太陽光を使わずに環境を制御して、周年・計画生産を行う「完全人工光型」の施設と、温室等の半閉鎖環境で太陽光の利用を基本として、雨天・曇天時の補光や夏季の高温抑制技術等により、周年・計画生産を行う「太陽光利用型」の施設の2種類がある。

一般に養液栽培 で植物を生育させ、自然光または人工光を光源とする。二酸化炭素施用により二酸化炭素飢餓 を防止している。

農地法 の影響により、企業は農地の取得が極めて困難である。そこで通常の土地に植物工場を建設し、農作物を栽培をするというケースが増えている。しかしながら、現在、第171回国会(常会)で農地法改正の審議が行われている。一般の株式会社、NPO法人など、農業生産法人以外の法人であってもリース方式で農地の権利が取得できるようになるようになるため、今後、企業の農地上への参入がしやすくなると期待されている。

近年ではカゴメ等の大手企業が野菜を育てる植物工場を経営しており、野菜工場という名称で認知度が広がっている。