4月２０日(土)板橋区建設関連協会の主催事業で、当会会員以外に、区議会議員の皆様、坂本区長をはじめとした板橋区の幹部職員の方々、板橋区中小企業診断士会会員の皆様、大東文化大学の鶴田ゼミ、飯塚ゼミの皆様総勢３４名の参加で入間市のジョョンソンタウン見学会に行きました。
【ジョンソンタウンの成り立ち】
ジョンソンタウンは、昭和１３年に旧陸軍士官学校の将校住宅が建設されたのが始まりとされています。戦後入間基地がジョンソン基地になり、昭和２９年にアメリカの進駐軍向けの住宅が建設されました。道路から玄関にいたる、靴のまま入るフラットな床。外は敷地のフェンスが無くて、庭には緑の芝生が植えられている、といったアメリカンスタイルの満ちあふれた街に生まれ変わりました。
戦後は、福生のアメリカンハウスと同様に芸術家やミュージシャンが好んで住んでいて、若者の文化の発信基地としての役割を担いました。
所有者の磯野商会さんの社長が交代された平成８年に、現社長の磯野達雄氏が老朽化した建物を活かしたいという事から、磯野住宅の復興を検討し、平成１５年に、最初の平成住宅が完成しました。平成２１年に磯野住宅をジョンソンタウンに改名し、商標登録をして現在に至っています。
【ジョンソンタウンの概要】
当該地とその周辺にあった米軍のジョンソン基地（現:航空自衛隊入間基地）は軍人が住んでいた米軍ハウス群を残した区画であり、米国風の街並みとなっている。敷地面積は約25,000㎡。約130世帯・210名ほどが暮らしている。飲食店や雑貨店など約50店舗があり敷地内には白い横張りの板壁が特徴的な平屋住宅が建ち並び、米軍ハウスと呼ばれる平屋のアメリカン古民家と平成ハウスと呼ばれる現代的低層新築住宅が混在している。
また、テナントとしてカフェやレストラン、雑貨店など約50店がこれらのハウスにて営業している。来店客やアメリカ風の街並みを見学する観光客で賑わいを見せており、フリーマーケットなども開催されている。
2006年（平成18年）公開の映画『シュガー&スパイス 風味絶佳』のロケ地として使われ、その後もテレビドラマ、ファッション雑誌、CDジャケットなどの撮影にたびたび使用されている。ただし全てが私有地、道路は私道であるため、所有者は無断でのロケを禁止している。
また店舗以外は個人住宅のため敷地内・路地への立ち入りや建物の撮影は制限されている。所有者は今後も賃貸業を継続し、景観を守る意向である。
(出典：Wikipedia)
【ジョンソンタウン再生計画の狙い】
私たちは、まちの再生に合わせて、居住者同士の会話が生じ、仲良くなるための仕組みを作った。2件の家を解体し、新しい歩行者用の街路をつくり、まちに回遊性を与え、人々が出会う機会を飛躍的に多くさせた。また、そこに人が滞在し、道を通る人と会話が生じるようにベンチ、ポーチテラスや居間を向けて配置した。
ポーチテラスでは居住者同士が集まってバーベキューをしたり、家族で食事をとったりする機会が増え、同時にその活動が街の風景となる、何よりも会話を増やしたのは、居住者がお店を開いていることである。店主と話したいときには、そのお店に行けば良い、店主はお客との会話を拒否しない。
会話が増えると人同士が仲良くなり、活動が生まれる。このプロジェクトを通じて、｢コミュニティをつくる｣ということは、具体的には「会話(コミュニケーション)をつくる」ことだったのだと悟った。
(出典：新建築2022年2月渡辺治氏のコメント)
【見学会の感想】
今回の見学会は、我々建設業者の会、中小企業診断士会、坂本区長以下行政の方々、大東文化大学の2研修室、と地元板橋区の産官学が揃って見学会を実施した事に大きな意義があると思います。
ジョンソンタウンが保存修復され、これからも生活の場として使われ続けて行く意味を学びました。
結果として今ある事象だけを捉えるのではなく、ここまでに至るプロセスを理解することが大切だと思います。
何でも壊して新しくするだけではなくて、古いものに価値を見いだし、新しい価値を持たせる。
先人達に感謝し修復しながら。未来に思いをはせて、保存して維持する事が建設業者の重要な使命だと感じました。
今後は、建築の動態保存・修復の分野がますます重要になると思います。
長期的な視点で、建築とまちを俯瞰して、良い仕事が出来ればと思う次第です。
最後に渡辺先生、磯野社長様
理解しやすい的確な解説をして頂きまして有り難うございました。
ジョンソンタウンの成功事例を参考にして、板橋のまちづくりに活かせればと思う次第です。
お忙しい中を色々と調整して頂いた、板橋区の伊東課長さん、そして、駆けつけてくれた坂本区長さんにもこの場を借りて御礼申しあげます。
(一社)板橋区建設関連協会 代表理事
(株)鹿沼工務店代表取締役 大貫広光
