世の中がドンドン変わってきています。そんな中で建築に対する価値観も変わってきていると思います。

住宅は、少子高齢化により新築や建て替えが少なくなるでしょう。リフォームやリニューアルと云う形態で建築が住まい方と共に変化していく時代になってきたように感じます。
建設業界の悪しき慣習のなかで、建物と設備の関係は、理想的な設備が実現不可能な不遇の時代が続いています。

黒川紀章氏が1960年代に提唱し、1972年に竣工した中銀カプセルマンションに代表される、メタボリズムの狙ったものとはチョット違うかもしれませんが、建築の居住空間に設備の配管を持ち込まない考え方が、今後は主流になると考えます。取り替え可能な設備システムの構築が求められるでしょう。

水や空気は資源という考え方から、一歩進んでエネルギーを自給自足出来る設備システムの構築が要求される時代になりつつあります。
燃料電池と太陽電池を組み合わせて使うことも一般的になるでしょう。

高齢化によって、住まい方が変わるのであれば、それを予想して設計することが必要でしょうし、住まい手は住まいのメンテナンスだけではなく、自分自身の身体のメンテナンスも同時にしなくてはならないでしょう。

持続可能な社会を実現するためには、スクラップ&ビルドで建て替えて住めばよいのではなく、自分の住まいに資産的価値を付けて、貴重な景観を保全する位の気概で家を建てようではありませんか。そのためには、機能と意匠のデザインの整合性をとることも必要ですね。