今現在、「成長の限界」という(1972年第1版)ローマクラブのレポートを読んでいる。
今から37年前に書かれた本書の序論には・・・・

我々の結論は次のとおりである。
(1)世界人口、工業化、汚染、食糧生産、及び資源の現在の成長率が不安のまま続くのならば、
来るべき100年以内に地球上の成長は限界点に達するであろう。
もっとも起こる見込みの強い結末は人口と工業力のかなり突然の、制御不可能な現象であろう。
(2)こうした成長の趨勢を変更し、
将来長期にわたって持続可能な生態学並びに経済的な安定性を打ち立てることは可能である。
この全般的な均衡状態は、地球上の全ての人の基本的な物質的必要性がミタされ、
全ての人が個人としての人間的な能力を実現する平等な機会を持つように設計しうるであろう。
(3)もしも世界中の人々が第1の結末ではなくて第2の結末に至るために努力することを決意するならば、
そのために行動を開始するのが早ければ早いほど、それに成功する機会は大きいであろう。

これらの結論はきわめて大きな影響を伴い、且ついっそう立ち入った研究を要するおびただしい問題を提起しているので、
我々は本書が多くの研究分野と世界中の多くの国々において、
人々がその関心の時間的、空間的協会を拡大し、
偉大な転換期-成長から全般的な均衡への-を我々と共に理解し、それに備えるために刺激剤となることを願うものである。

また、第1章の始めには・・・・
ここで報告された研究の基礎となっている5つの要素-人口、食糧生産、工業化、汚染、及び再生不可能な天然資源の消費-は全て増大しつつある。
・・・・とある。

そして、昨年出版された、レスター・ブラウン「プランB 3.0」では・・・・
破綻しつつある国家は、破綻しつつある人類文明の初期兆候であり、
毎年7千万人が増加する人口、水不足の拡大、森林消失、土壌浸食、
草地の砂漠化など未解決の問題の数がふえるにつれて、弱体化した政府が崩壊していく。
未解決の問題数が増えるにつれて、弱体化した政府が崩壊し、
国家を破綻に追いやる諸傾向を逆転出来なければ、
破綻国家の増加に歯止めをかけることは出来ないだろう。
今後予想されている、施顔の石油生産量の減少、地球温暖化によるストレス、
食糧価格の上昇など新たな問題のいくつかは、強い国家でさえも、破綻に追いやりかねない。

我々の世代の課題は、エコ・エコノミーを早急に構築することである。
プランB3.0には、気候の安定、人口の安定、貧困の解消、
地球の生態系の修復の4つの優先すべき課題がある。
自然システムの限界点政治システムの転換点とは、どちらが先に来るのだろうか。

ローマクラブ「成長の限界」は、37年前に人類の危機をその先見性を以ち警告を発していた。
しかし、2008年のレスター・ブラウン「プランB 3.0」では、
その全てが現実となり、一刻の猶予もないほどに対策が迫られている。
諸問題を平均して考えても、地球の体力を25%も上回る、
そういう意味では限界点を超えてしまったことは事実である。
日本にいると気がつかない、海の向こうでの出来事は、同時に起こっている現実である。
破綻国家の貧困の悪循環は世界中で起こっているし、毎日多くの子供が亡くなっている。
熱帯雨林は毎日焼き払われている。
景気が悪い悪い と言うだけで、何の対策もできない我が国の無能な政治リーダ達によって、
そのうち日本も破綻国家となるのだろうか?