ベンメリアは、カンボジアのアンコール・ワットの約40km東の森の中にある寺院。
世界遺産であるアンコール遺跡群のひとつで壊が激しい。
全貌が明らかになればアンコール・ワットを凌ぐといわれる規模と推測されている。
アンコールワットから東へ直線距離で約40km東方に位置し、現在も修復が施されないまま放置され、密森の中に静かな佇まいを見せる平面展開型の巨大寺院。
原形をとどめないほど崩壊がひどく、苔むし多くが瓦礫の山のと化し廃墟の感を強く漂わせる。
アンコール・ワット建造前の11世紀末-12世紀初頭の造営と推測されている。
環濠幅約45m、周囲4.2kmと規模はやや小さいものの、アンコール・ワットとの類似点が多く「東のアンコール・ワット」とも称される。
アンコール・ワットに先立ち、そのモデルとして計画されたといわれている。
ヒンズー教寺院として建造されたが、仏教のモチーフをあしらった彫刻が多く確認できる。
材質は主に砂岩である。
ポル・ポト派の支配が終わり、地雷の撤去が進み比較的近年に人が入れるようになった。
発見後に、遺跡があることは知られていたが、30年にも及ぶ内乱が続いたため放置されてきた。
遺跡内は安全の確保のため、足場が築かれているが、指定されたコースから外れると危険である。
遺跡が発掘された時に、どのような形で見つかるのか、植物がどう繁茂するかなどが分かる貴重な遺跡である。
宮崎駿監督作品のアニメ『天空の城ラピュタ』のモデルのひとつとも言われる。樹木が繁茂し昼なおほの暗く、重厚隠微な雰囲気が漂い、探検気分を味わうことができる。
アンコール遺跡群を4カ所見て回ったが、何故かベンメリアに心惹かれるものがあった。
そこにある遺跡やガジュマルが何かを語りかけているようで、もっとカンボジアの歴史と遺跡と建築的な知識を勉強して再度来たいところだ。